引越しを運送業者に頼む場合、一番の悩みは何といっても料金の問題である。品物を買うときのように決まった値段が表示されているわけではないので、どの値段が正当なのか判断に困ってしまう。数年前までは、運送業者によって料金の算定の仕方がパラパラで、見積りが有料であったり、高層住宅への搬出入割増(タテ持ち料)、路地裏家屋への搬出入割増、大家具の屋内据え付け割増(はい付け料)などを請求されたりして、明瞭とはいえない料金システムだった。しかし、1987年3月1日から、運輸省の指導により引越業務の90%以上を請け負うトラック業者に対して、「標準引越約款」と「標準引越運賃」が定められ、実施されることになった。その結果、不当な料金の割増請求ができなくなり、見積りの無料化もはっきりした。この制度の大きな特色は、これまで引越業者によってバラバラでトラブルのもとになっていた「引越運賃」の制度を、利用者の誰にでもわかるように簡明化したことにある。日本全国を北海道、東北、新潟、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖繩の10ブロックに分け、ブロック内での統一した運送料金が決められた。それによると、まず「基本運賃」が決められ、荷物を積んで運送する距離が100キロ以内は「時間制運賃」を適用し、100キロを超える場合は「距離制運賃」を適用することになった。利用者としては、大変わかりやすくなったことになる。たとえば、東京の日本橋を基点にすると、100キロ圏には水戸、宇都宮、前橋、三島、銚子などが含まれる。首都圏内の引越しであれば、ほとんど「時間制運賃」で計算されることになったわけだ。
[参考情報]
サカイ引越センター
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